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Joost Beta-1.0.2

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配信プラットフォームとしてクライアント同士のP2Pネットワークを使う無料動画配信サービス「Joost」(ジュースト)。

Joost
ソフト種類: Freeware
日付追加: 2008-02-14
対応OS: Windows Xp,Windows Vista
ファイルサイズ: 10.17MB
ソフト作者: 

対応言語

情報 Joost Beta-1.0.2

画質、UIの新規性、コンテンツの豊富さに驚いた
 早速ベータ版を使ってみた。3つの点で驚いた。

 1つは画質の高さと安定性。2つ目はショートメッセンジャーやチャットを取り込み、視聴者間のコミュニケーションを融合することで「TV 2.0」ともいうべき視聴スタイルを提案できていること。そのユーザーインターフェイスは、半透明のウィンドウをガジェットとして起動するというもので、それ自体がデスクトップ環境となっているようにも見える。

 驚いたことの最後の1つはコンテンツプロバイダが積極的にコンテンツを提供していること、あるいは提供する気にさせるだけのプラットフォームを提供していることだ。Joostは現在、日本の大手コンテンツプロバイダに協業の打診をして回っているとの話も聞こえてくる。

ネット配信にしてはダンゼン画質がいい
 まず、いちばん気になる画質だがネット配信としては非常に良いといえる。ハイビジョン映像のようにいいというわけにはいかないが、DVDより少し悪い程度の映像が、途切れることなく滑らかに表示される。チャンネルを切り替えると2~5秒程度のタイムラグはあるが、いったん映像が流れ始めると、ストレスなく全画面表示で見ることができる。

 同社CTOのDirk-Willem van Gulik氏によれば、クライアントは最大で1時間に320MBのデータを受信する(換算すると728kbps)。ネットの動画配信としては広帯域なほうだ。P2Pネットワークに参加するノードは、ほかのノードに対してデータを転送するためデータの受信と同時に送信も行うが、このアップロードのついては1時間に最大105MB(換算すると238kbps)という。

 ローカルのハードディスクに常に2GBほどコンテンツをキャッシュしているという。そのせいかレスポンスの良さも目を引く。電源ボタンを押して“電源を切る”と、Joostはタスクトレイに収まるが、そこからの復帰がきわめて速い。トレイ上のアイコンをダブルクリックすると、タイムラグなしに、すぐに再生がスタートする。

配信サーバとP2Pネットワークのハイブリッド構成
 Joostはルクセンブルクやロンドンといったヨーロッパの主要都市に配信元となるセンターサーバ群があるほか、現在はロサンゼルスにもデータセンターを構築し、北米を中心に映像を配信している。興味深いのは、彼らがこのサーバを“ロング・テール・サーバ”と名付けていることだ。

 P2Pネットワークでは、人気のあるコンテンツほど広範囲にキャッシュされる。そのため新着のスポーツ番組や、先週のドラマといったものであれば、身近なP2Pノードにキャッシュされている確率が高い。一方、連続ドラマの第1回目や人気のないコンテンツ、つまりロング・テールの部分はP2Pネットワーク上にキャッシュされていないため、クライアントから直接サーバに接続しに行くことになる。

 Skypeと同様のP2Pネットワークを利用しているとはいえ、Joostは配信コンテンツを投入できるサーバ群を中心に、その周囲にP2Pネットワークが広がるというハイブリッドなトポロジーとなっている。配信サーバからのみコンテンツを提供することで著作権保護対策を行っていることも、多くのコンテンツプロバイダからの支持を得ている理由だ。経路上のデータストリームは、AESで暗号化されているという。

 当初Joostは限定されたユーザーを対象にベータテストを進めてきたが、5月になってからは1人のユーザーが招待できるユーザー数の制限を撤廃し、事実上、一般ベータテストに移行している。現在、Joostに参加しているユーザー数は非公開だが、かなりの勢いで増えていることは、おそらく間違いない。それでも配信サーバがないはずの日本から利用しても映像が止まったり、途切れたりすることはない。P2Pネットワークでは参加者(視聴者)数が増えても、むしろそれはネットワークの安定性にプラスの影響を与えるだけだ。Skypeが2億人近いユーザーを集めてなお安定した音声通話サービスを提供できているのと同じ理由で、JoostはP2Pネットワークを使った動画配信が実用的にスケールするということを証明しつつあるといえそうだ。

 今のところ「リビングの大画面でネット配信動画を見る」というとバカラの高級クリスタルグラスで安酒を飲むような、むなしい響きがある。しかし地上波デジタルテレビのハイビジョンでも20Mbps程度だ。FTTHが広く普及すればHD映像も流せるだろう。原理的にいえばユーザーの足回り回線が高速化すれば、さほどサーバを増強せずともコンテンツも広帯域のものに切り替えられるという点も、P2P利用のメリットとして見逃せない。マルチキャスト方式ではオンデマンド配信はできないし、1対1のC/S通信では、こうしたスケールアップはサーバへの投資がかさみコスト的に不利だ。

Mozillaベースの専用クライアントは「TV 2.0」
 Joostでプロダクトマネージャを務めるHenrik Werdelin氏は、公式ブログ上にアップロードしたインタビュー映像の中で、テレビの良さをまず認めようではないかという。「人々は1日に4時間から6時間はテレビを見ています。テレビの良さは電源を入れたらすぐによくまとまった番組が見られること」。既存のテレビというメディアが持つ、そうした優れたエンターテイメント性がある一方、「ネットの良さがない。オンデマンドで見たい番組が見られない。CMもある。番組ごとのコミュニティもない」とテレビのもどかしさを指摘する。Joostが目指しているのは、既存のテレビ(番組)をネット上に持ち込み、そこにネットの良さを付加することだ。「ネットテレビの登場でテレビは死ぬのかという議論もありますが、そうではない。ラジオに映像がついてテレビに進化したように、テレビはネット上に移行して、進化するだけ。映像は映像だ」(Werdelin氏)。Joostは、YouTubeのように映像メディアのあり方を根本的に問い直すような試みというよりは、すでに眼前にあるテレビとネットという2つの異なる世界の現実的な融合を目指しているというわけだ。大企業をクライアントとする広告収入モデルで良質なコンテンツを制作・配信するという既存テレビのビジネスモデルの大枠は変わらない。

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